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陶片窟の引き出し

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2007年 05月 06日

針支えの跡

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針支えの跡_d0123263_844747.jpg
 17世紀の初期の頃は高台の小さいものが多かったのですが、17世紀後半になると、この写真のように広い高台を持つものが増えます。高台が広くて薄い皿は底の部分が垂れないよう、下に小さな支えを置いて焼いたそうです。針と呼ばれる支えの部分は焼成後はずしたのですが、その跡が小さく残りました。それが針支えの跡です。写真の皿の真ん中に残っている丸い小さな跡がそれです。もっと大きな皿の場合、針支えの跡が複数残っているものもあるようです。
 
 針支えは日本独特のもので、それは中国との材料の違いからくるものだそうです。針支えの跡は17世紀後半のものだけでなく、18世紀になってもありますが、私が拾ったものはみな薄手の皿で、分厚いくらわんか皿などは、かなり広い高台を持っていても無いことが多いようです。また18世紀後半になると、チャツという窯道具で底を支えて焼く、蛇の目凹型高台も増えて、このやり方は少なくなるようです。

by hikidasi1 | 2007-05-06 08:36


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